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「晴海フラッグ(HARUMI FLAG)」坪単価@200前半も!?

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「晴海フラッグ」の価格予想が何かと話題に上っている。現時点のマンション相場は、中央区晴海の先行プロジェクト等から@300万円台との見方もあるようだ。しかし、それほど高い値付けはないのではないか。坪単価にして@200万円前半も十分あり得ると見ている。理由を3点にしぼって説明する。

HARUMI FLAG
「HARUMI FLAG」現地
(2018年10月撮影)

相場変動は需給バランス次第

1点目に、「戸数の多さ」が挙げられる。

下のグラフは、首都圏と東京都の中古マンション成約単価(折れ線グラフ)と在庫件数(棒グラフ)の推移。中央左寄り、アベノミクスがはじまるまでは、在庫が減ると単価が上がり、増えると下がる相関がはっきりと出ている。原則的には、マンション相場は需給バランスで変動することがわかる。

DVD「首都圏マンション市況2018下半期」より引用

「晴海フラッグ」の場合、現在告知されている販売総戸数は4街区、5・6街区第一工区で2,690戸にものぼる。同エリア先行の分譲マンション「パークタワー晴海」は総戸数1,076戸。2016年10月からリスト集客を初めているが、巡航速度も2018年12月時点で完売には至っていない。1,000戸クラスのプロジェクトともなれば、2年以上は優にかかるのである。

その2.5倍以上もある「晴海フラッグ」は2023年3月下旬入居予定。一斉に完成するタイミングで、相当数の在庫を抱えるリスクは避けたいと考えるはずだ。しかも、後にはタワー2棟が控えている。分譲マンションの集客は第1期が最も広告の経済効果が高い。初動で一定の割合を取らなければ、後が苦しくなる。魅力的な価格設定が求められるスケールだということだ。

専有面積が広い=グロスが張る

2点目に、「専有面積が広い」つまり、総額が張ること。

不動産相場は、坪単価で比較検討しなければならないが、実際マーケットで受けれられるかどうかは、実需向け住宅の場合、総額が問題になる。地価が上昇し、マンション相場が上がるほど面積が狭くなる様を「圧縮(プラン)傾向」と呼ぶが、それは価格が(住宅ローン借入限度内で買える)手の届く範囲に収っていなければならないからだ。

「晴海フラッグ」の場合、周辺マーケットが専有面積70m2の広さで新築供給しているのに対して、85m2台が最多。住空間としては非常に魅力的で、長期居住が見込め、中古市場での出現率が低減される(相場としてはプラスのバイアスの)予感があるが、最初の売り出しとしては「単価よりグロス(総額)」を優先せざるを得ないのではないかとみている。

超高層(タワー)を含んでいない

物件の希少価値を認めれば、周辺相場との乖離を何とも思わず、グロスの壁ももたない富裕層が「晴海フラッグ」を検討するとしたら。おそらく対象は超高層(タワー)棟が有力だろう。「晴海フラッグ」には5・6街区に1棟ずつ地上50階建てのタワーが計画されている。この2棟だけは、2020年大会に選手が使用する対象から外れているようだ。竣工時期も他より遅く2024年3月完成予定である。

板状棟は最高で18階建て。つまり、そこから上は、都心のビル群や東京湾を一望する素晴らしい眺めが期待できる。レインボーブリッジや富士山、東京タワーといったタワーマンションの付加価値が十分に期待できる向きの住戸は相当人気が出ることが予想でき、値も随分張るだろう。「晴海フラッグ」全体の相場をけん引する2棟になるに違いない。

しかし、2020年後も堅調な都心のマンション需要は継続するだろうと考えるも、先行の売れ行き状況も影響し、5,6年先の景気は見通しにくい。現在の経済政策を立案し実行している主要リーダーも任期が終了していると考えられることから、次の方針も不明だ。よってタワー棟の価格をいま加味して想像するのは時期尚早だろう。

現在告知されている物件概要はタワー2棟を除く。したがって、2,690戸の平均坪単価でみれば、200万円台前半も十分あり得ると見ている。

最後に

「晴海フラッグ」は、上記1番目の理由「瞬間的な供給過多」が解消されたら、(つまり完売入居後は)、安定した相場になるとみている。プラスの材料は、やはり5Gだ。自動運転の普及は、駅から遠いマイナス要因の軽減材料になる。

環状2号線に近く、羽田―都心間の動線沿いに位置するポジション、そして幅員の広い道路。「技術革新と国際都市化」の双方の行政のベクトルを共有・享受できるロケーションは市場から注目され続けることだろう。

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