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東京都知事とマンションライフ

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 秋から冬にかけて「フェイスブック」上で富士山の画像を投稿する人が増えました。湘南方面に住んでいる友人が多いのですが、都心のタワーマンションも少なくありません。なかでも見えた朝は必ずといっていいほどアップしてくれるAさん。先日お会いする機会がありました。SNSの投稿ネタで盛り上がっていると「富士山の見える日が、前より絶対増えた」と主張します。下表は東京都環境局が観測する<都庁舎から富士山が見える日数>を月次で記録したもの。平成19年にAさんのマンションが完成していますが、たしかに直近と比べると、年間で2割近く数値が増えていることがわかります。

 都心居住をテーマに記事を書くとき、私はできるだけ「空気がきれいになったおかげで東京は暮らしやすくなった」と付け加えるようにしています。これは個人的な体験に基づいた主観的な主張でもあります。「中央区勝どき」に住民票を移したのは平成元年10月。銀座から(徒歩15分程でしたが)歩いて帰ろうと思ったことはほとんどありませんでした。大型車両が行き交う晴海通りは終日排ガスが充満していたからです。

 四半世紀経ったいま、「幹線道路沿いでさえジョギングする姿が珍しくないくらい」環境は改善されたといって良いでしょう。要因としては自動車メーカーの努力に拠るところ大ですが、東京都が先んじて行った大気汚染対策「排ガス規制」に触れずして語ることはできません。これは石原都政の大きな成果です(下のグラフ「浮遊粒子状物質対策と年平均濃度の推移」参照)。

 タカ派発言が何かと世間を騒がせた石原前都知事でしたが、表立っては語られないその大きな功績として「会計制度の改変」も挙げられます。単式簿記、現金主義だった官庁会計から、企業経営と同じような複式簿記、発生主義の新公会計制度を平成18年度から導入しました。これにより現金の出納を記すだけだったひとつの諸表管理から、貸借対照表、行政コスト計算書、キャッシュフロー計算書、正味財産変動計算書といった資産と負債が把握できる状態に変えました。ちなみに平成24年度の資産総額は29兆8,809億円。30兆円近い資産の全容がそれまで管理されていなかったというのも、民間企業で働く人たちの感覚からすればちょっと信じられないこと。現在では総務省が各自治体に新会計制度の見直しを推進しています。

 東京都知事選(1月23日告示、2月9日投開票)がまもなくはじまろうとしています。13,296,019人(平成25年12月時点)の都民の暮らしに直結する、地に足の着いた政策を立案し実現してくれる人物に一票を投じたいと思います。

この記事は2014年1月16日にWEBサイト「家の時間」に掲載された内容を転載したものです。


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