東京都都心3区中古マンション市場動向（2020年7月度）

更新日：18/11/2020

2020年7月度、東京都「都心3区」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。

コロナ禍のマーケットはどのように変化しているのだろうか。

下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、東京都は折れ線グラフで示している。

7月度のデータは、
・東京都：1,682件（6月:1,615件、5月: 882件、4月:812件）
・都心3区：209件（6月:165件、5月: 104件、4月: 98件）　となり、

これは昨年同月比で、
・東京都：-3.7%ダウン（6月:-10.7%ダウン、:5月: -37.6%ダウン、4月: -55.3％ダウン）
・都心3区：±0.0（6月-21.1%ダウン、:5月: -35.0％ダウン、4月: -54.8％ダウン）

4 か月連続で昨年同月を大幅に下回っていたが、７月度は昨年と同じ実績となった。東京都全体では、城東地区(1.6％アップ)、城西地区(1.7％アップ)が昨年同月比を上回った。ちなみに首都圏は -2.4％ダウン(6月は、-11.0％ダウン)である。

下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。

7月度のデータは、
・東京都：74.36万円/m2
・都心3区：120.13万円/m2　
と、2008年1月以降、2019年11月「122.90万円/m2」に次ぐ高い値である。

これは昨年同月比では、
・東京都：6.5%アップ
・都心3区：3.1%アップ

都心3区において、前月(６月)は昨年同月比がマイナスであったが、7月度はプラスに転じた。

下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、東京都は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしているが、ここ2，3年は都心3区の減少が著しい。

7月度のデータは、
・東京都：24,616件
・都心3区：3,265件

これは昨年同月比で、
・東京都：-9.4%ダウン
・都心3区：-11.9%ダウン

都心3区は5か月連続で減少。7月の在庫件数は、2015年11月以降最も低い数値である。コロナウイルスによる増加の影響は確認できない。ちなみに、リーマンショック前後では最高131%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では30%弱の増加が記録されている。引き続き注視する必要がある。

下のグラフは、上記の都心3区中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫件数の増加が相場に与える影響をチェックしていきたい。

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