前回まで、首都圏全体、1都3県、さらにエリアを絞って都心3区、城東、城南、城西、城北地区における中古マンションのステータス別(成約・新規登録・在庫)築年数の推移を確認した。今回は、東京都 多摩地区の築年数をみてみよう。
上掲のグラフは、東日本不動産流通機構発表「中古マンションレポート」のなかの東京都 多摩地区における「成約、新規登録、在庫」の築年数推移である。
2008年1月以降、各折れ線グラフは右肩上がりを継続している。東京都は2008年時点から成約と新規登録、在庫のグラフは開きがあったのに対し、多摩地区は2014年前後までは、3つの折れ線グラフがほぼ同一線上に並んでいた。その後、それらの(厳密には「成約」が「新規登録・在庫」と開きはじめ)差が拡大している。グラフ間の差が生じるタイミングは違うものの埼玉県、千葉県も同様の傾向が見受けられる。
12年1ヵ月を経て、それぞれの数値の違いをまとめてみる。
成約築年数は、12年1ヵ月で「約4.7年」加算
多摩地区の成約物件の築年数は、2008年1月「15.89年」だったが、2020年2月では「20.60年」になった。12年1か月で、約4.7年加算された。東京都は約4.9年だったので、東京都と加算ペースがほぼ同様である。
しかし、成約築年数の最新数値が極端に下落しているため、今後の動向を注視する必要がありそうだ。
新規登録築年数は、12年1か月で「約9.3年」加算
多摩地区の新規登録物件の築年数は、2008年1月「16.50年」だったが、2020年2月では「25.84年」になった。12年1か月で、約9.3年加算された。東京都は約8.4年だったので、東京都に比べ加算ペースが急である。
在庫築年数は、12年1か月で「約8.1年」加算
多摩地区の在庫物件の築年数は、2008年1月「17.20年」だったが、2020年2月では「25.30年」になった。12年1ヵ月で、約8.1年加算された。東京都は約7.3年だったので、東京都に比べ加算ペースがやや急である。
成約と新規登録の差は、12年1か月で「約4.6年」加算
成約物件と新規登録物件の築年数の差は、2008年1月「約0.6年」だったが、2020年2月では「約5.2年」に拡大した。12年1か月で、約4.6年も加算された。
成約物件と在庫物件の築年数の差は、2008年1月「約1.3年」だったが、2020年2月では「約4.6年」に拡大した。12年1か月で、約3.3年加算された。
成約と新規登録、および成約と在庫の築年数は拡大傾向にあるようだ。
6回にわたり、東京都のエリア別に「築年数」の傾向を見てきたが、そのまとめとして、東京都の違いをグラフに示してみた。
明日は、埼玉県 さいたま市のデータを抽出し、傾向の違いを確認してみる。
参考サイト
首都圏 中古マンション築年数(2020年2月度)
東京都 中古マンション築年数(2020年2月度)
都心3区 中古マンション築年数(2020年2月度)
城東地区 中古マンション築年数(2020年2月度)
城南地区 中古マンション築年数(2020年2月度)
城西地区 中古マンション築年数(2020年2月度)