理想の二人暮らし
(略)
まずは大開口のパブリック空間に注目。玄関扉と両開きのリビング扉は直線で結ばれ、開放感十分。暖炉の裏は収納スペースに。グリーンが窓辺を彩り、リビングには来客にドリンクなどを出すときに便利な「パーティシンク」まで用意されている。
プライベート空間は住み手の思いを丁寧に汲み取った跡がうかがえる。夫と妻それぞれに与えられた特大のウォークインクローゼット。ウェルネススペースはフィットネスジムとしても活用するもよし、エステベッドを置くもよし。これだけゆとりのある洗面室はあまり見たことがない。
(略)
シンメトリーがもたらす、安らぎの時間
玄関側の二本の柱を基に、リビング空間は左右対称(シンメトリー)を徹底。両開きの入り口扉、窓サッシュ、天井埋め込み照明、そして家具。中心を設けることで空間軸が明確に設定され、無意識の安堵感が生まれる。ファイアスペース(暖炉)との距離感も理想的。
渋谷区広尾。日比谷線「広尾」駅から徒歩9分。日赤通り沿いに立つ大規模マンションである。隣接する「日赤病院」との提携サービス、部外者が敷地に入ることのできないゲーティッドセキュリティが特長。総戸数474戸。分譲三井不動産レジデンシャルほか。設計は三菱地所設計、施工は鹿島建設。2009年竣工。