本日(2020年2月19日)、野村不動産は「サンストリート亀戸跡地開発」プロジェクトの全容をマスコミに向けて発表した。分譲マンション「プラウドタワー亀戸クロス」全934戸、さらに延べ床面積約58,000m2、店舗数150(予定)の大型商業施設等「KAMEIDO PROJECT」は野村不動産が開発した後も、所有(商業施設とマンション棟の一部)、運営を継続する点が最大の特徴である。
再開発事業ではない
まず「サンストリート亀戸跡地プロジェクト」は、敷地面積約2.3ha(さらに小学校増築跡地を含めると約2.5haにもなる)にも及ぶ大型開発であるが、再開発事業ではない。野村不動産1社※による、住宅と商業の複合開発事業である。空地を設けることでボーナス(容積や高さの緩和)を得る総合設計制度を活用している。※分譲マンションは三菱地所レジデンスとのJV事業
駅側に商業施設、南側に超高層マンションを配する一般的なレイアウトではなく、かつて賑わいを見せた「サンストリート亀戸」駅前商業街としての地の利を継承しながら、さらにアップデートさせるために、駅からの動線上の入口に「広場」を、住宅と商業の間の空間は「横丁」と位置付け人の流れをつくり、入口の対角線上には「芝生エリア」(イベント等を開催するスペース)を設け、地域とのつながりを深めようと試みたランドプランである。
商業施設は、完成後も野村不動産が事業として運営。分譲マンション「プラウドタワー亀戸クロス」内にも一部区分(専有部)を所有する。このような「地域共生型」街づくりは「日吉」に続き、第2弾となる。
価格は@300万円台中盤、3LDKは7,000-8,000万円台予定
分譲マンション「プラウドタワー亀戸クロス」は、地上25階建て、2棟構成、全934戸。構造は免震である。施工は前田建設工業。専有面積は30m2台から140m2台。駅徒歩2分という立地から、SOHOニーズ等も期待できることから「シェアサービス」(時間貸し)等のサービスも検討している。
過去記事「プラウド」マンションに新しい空調設備を導入にて取り上げた床チャンバー式全館空調設備を1LDKを除く住戸に標準装備する。断熱材や換気設備もスペックを高め、エネルギーコストを全体で3割減少させるねらいだ。ミライフル(サイホン排水システム)も導入。これはリフォーム時に水回りの設置可能場所を14m広げることができるため、間取りの自由度を高める効果がある。
駅前立地、1,000戸近いスケール、超高層、商業直結、ハイスペックな設備の導入等、謳い文句が多いプロジェクトである。販売価格は坪単価で@300万円台中盤。3LDKで7,000~8,000万円台予定。
「竣工完売」にはこだわらない
4か月前に公開した公式サイトからは約5,000件の資料請求が。1月からスタートした事前内覧会はこれまで約700組が来訪。予約は2月末まで満席らしい。モデルルームの一般公開は2月29日(土)からとなる。
規模が大きな建物で、商業施設と一体となる開発事業は、完成してからの実際のインパクトが「わかっていても」想像を超えるものとなるのが常。934戸もの大量な販売戸数であるが、デベロッパーの利益で見れば、急いで売ってしまってはもったいないようにも思える。野村不動産は大手の中でも比較的回転重視と見られているが、「竣工完売が目標?」の質問に「いや、完成してからも売っているイメージです」と返ってきた。この案件に限ってはこだわらないようだ。
参考サイト:需要の溜まりはどこに向かう?