2020年5月度、千葉県 「千葉市」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
アフターコロナのマーケットはどのように変化したのだろうか。
成約件数は、前年同月比 -40.0%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、千葉県は折れ線グラフで示している。5月度の数値も大幅に減少しているのがわかる。
5月度のデータは、
・千葉県:201件(4月は、204件)
・千葉市:57件(4月は、53件)
これは昨年同月比では、
・千葉県: -39.5%ダウン(4月は、-52.7%ダウン)
・千葉市: -40.0%ダウン(4月は、-57.3%ダウン)
2か月連続で大幅な減少となったが、前月(4月)と比較すると巻き返している。ちなみに首都圏は-38.5%ダウン(4月は、-52.6%ダウン)である。
東日本大震災では、2011年3月以降3か月連続で、前年同月比-22%~-51%を記録したが、それらと同等なダウンである。

成約単価は、前年同月比 -25.2%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。
5月度のデータは、
・千葉県:25.38万円/m2
・千葉市:20.27 万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・千葉県: -8.4%ダウン
・千葉市: -25.2%ダウン
首都圏全体において、もっとも大きなダウンとなった。
千葉市において、コロナウイルスは件数、単価ともに負の影響をもたらしていることが4月、5月時点で明確である。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月から成約件数が前年同月比-22~-51%を記録したときには、おおむね-8%以内の下落に留まった。また、リーマンショック(2008年9月)後6か月程度、おおむね-9%から-14%であったから、すでに過去2大不況を上回る落ち込みであり、今後の展開に注視したい。

在庫件数は、前年同月比 2.5%アップ
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、千葉県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしている。しかしこの2,3年で千葉市の増加が著しい。
なお、直近のデータは、
・千葉県: 3,908件
・千葉市: 1,017件 となり、
これは昨年同月比では、
・千葉県: 2.0%アップ
・千葉市: 2.5%アップ
コロナウイルスによる影響はまだ出ていないようだ。過去リーマンショック前後では最高132%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では約47%の増加が記録されている。引き続き注視する必要があるだろう。

下のグラフは、上記の千葉市中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫件数の増加が相場に与える影響をチェックしていきたい。

参考サイト
千葉県 千葉市 中古マンション築年数(2020年2月度)
千葉県 千葉市 中古マンション市場動向(2020年3月度)
千葉県 千葉市 中古マンション市場動向(2020年4月度)