2020年9月度、東京都「都心3区」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
マーケットはどのように変化しているのだろうか。
成約件数は、前年同月比 -23.2%
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、東京都は折れ線グラフで示している。
9月度のデータは、
・東京都:1,713件(8月:1,576件、7月:1,682件、6月:1,615件、5月: 882件、4月:812件)
・都心3区:192件(8月:159件、7月:209件、6月:165件、5月: 104件、4月: 98件) となり、
これは昨年同月比で、
・東京都:-10.0%(8月:+14.5%、7月:-3.7%、6月:-10.7%、:5月: -37.6%、4月: -55.3%)
・都心3区:-23.2%(8月:-5.4%、7月:±0.0、6月-21.1%、:5月: -35.0%、4月: -54.8%)
前月(8月)に続き昨年同月を下回った。9月においては二ケタの減少となり、首都圏全体でもっとも減少が大きかった。しかしながら、昨年の9月実績が前年比29.5%アップの実績であった事も考慮する必要がある。ちなみに首都圏は -7.3%(8月は、+18.2%)である。

成約単価は、前年同月比 +6.5%
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。
9月度のデータは、
・東京都:74.62万円/m2
・都心3区:127.94万円/m2
これは昨年同月比では、
・東京都:+5.6%
・都心3区:+6.5%
都心3区において、2008年1月以降、成約単価の最高値を記録した。

在庫件数は、前年同月比 -13.1%
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、東京都は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしているが、ここ3年は都心3区の減少が著しい。
9月度のデータは、
・東京都:22,880件
・都心3区:3,206件(7か月連続で減少)
これは昨年同月比で、
・東京都:-15.4%
・都心3区:-13.1%(10か月連続マイナス)
9月の在庫件数は、2015年11月以降最も低い数値である。コロナウイルスによる影響は確認できない。ちなみに、リーマンショック前後では最高131%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では30%弱の増加が記録されている。引き続き注視したい。

下のグラフは、上記の都心3区中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫件数と成約単価をチェックしていきたい。

参考サイト
東京都 都心3区 中古マンション築年数(2020年2月度)
東京都 都心3区 中古マンション市場動向(2020年3月度)
東京都 都心3区 中古マンション市場動向(2020年4月度)
東京都 都心3区 中古マンション市場動向(2020年5月度)
東京都 都心3区 中古マンション市場動向(2020年6月度)
東京都 都心3区 中古マンション市場動向(2020年7月度)
東京都 都心3区 中古マンション市場動向(2020年8月度)