もし晴海フラッグを買うとしたら、どの部屋にするか。これは、あくまで個人の意見として述べています。専門家として評価しているのではありません。私自身、勝どきに住んだ経験やそれ以外(住み替え経験は23区内で8回ほどあります)の体験を踏まえて。マンション業界に四半世紀関与して得た情報も考慮しながら選定しました。さっそく昨日の続きに入ります。
入居後の選択肢
購入して入居した後はどうなるか。永住か、住み替え。基本的にはどちらかになります(貸すという選択肢もありますが、晴海フラッグには賃貸住宅が1,500戸ほどあります)。
「晴海フラッグ」は、スケールと立地が特徴的です。マンションは「規模の経済」がメリットのひとつですから、大きいほどそれが拡張します。景観やコミュニティの成長をプラスに享受できれば、これほど魅力的な集合住宅はないといえるでしょう。
一方で、鉄道駅から遠い立地、駅も周辺の居住・就労人口等からすればキャパシティが追い付いていない印象さえ抱きます。BRTその他の交通手段は未知数なので今の段階では明確に利便を論ずることは不可能です(もちろん期待はできます)。また、管理費等ランニングコストも安くはないですし、魅力が大きい分、その反動も然りという覚悟はある程度持っておいたほうが良いかもしれません。例えば、管理運営は世帯数が多い分まとめるのも大変、等です。
いずれにしろ、今の段階で住み替えや永住比率について述べることは無理です。一般的な例と同じイメージで考えていくしかありません。永住についてはとくに触れる必要はないと思われるので、住み替えに焦点を当てて話を進めていきたいと思います。
晴海フラッグ内の住み替え
多棟型の大規模マンションで、しばしば起こるのが「同じマンション内での買換え(住み替え)ニーズの発生」です。住み慣れ、気にいっているのだが、何らかの事情で移りたい。その場合、たいていは「今より条件の良い住戸」を望みます。
広くなる、部屋数が多くなる、中住戸だったのが角住戸になる、陽当りが良くなる、今より高層階で眺望が良い、といったケースです。晴海フラッグは「圧倒的なスケール感」と湾岸エリアには基調な「豊富な緑(植栽)」があり、さらには選手村跡地という特殊なプロフィールや独立型の街区構成等特徴的な要素が多く「住んだら気に入った。ずっと住みたい」という世帯が一定数有るでしょう。無論、逆もあり得るわけですが。いずれにしても分母(総戸数)が多い分、どのようなパターンでも数(ニーズ)が多そうだということです。
そうなった場合、マイホーム需要の住み替えで「竣工時に30代前後のファミリー層が最も多ければ、子どもの成長とともにもっと広い家、ひと部屋多いところに移りたい」というニーズは必ず湧いてくると思われます。
晴海フラッグ「SEA VILLAGE」「PARK VILLAGE」第1期、第1期2次販売結果では、20-40代で全体の約65%を占めているという結果が出ています。職業は会社員 57.4%。家族数は2-3人で約60%です。この結果からいえることは、10年後「(戸数として最も多い)3LDKから、4LDKに移りたい」という需要がある程度ありそうだと考えます。
グロスが小さいほど市場は大きい
次に、面積は大きすぎないことが重要です。当サイトで「3LDK買うならこの間取り」というタイトルで記事をあげましたが、しばらくたってよく見られている間取りはすべて1億円以下でした。参考サイト:晴海フラッグ、人気の3LDK
当たり前ですが、グロス(総額)は低いほど対象となる市場は大きくなります。したがって、「面積が小さめの4LDK」に絞ります。「マーケットが少しでも大きい=売れやすさを重視」という意味です。最も戸数が多いのは3LDKなので、「ライバルの出現率が小さくて」と付け加えても良いかもしれません。
次に、比率としては少ない「角住戸」を。眺望よりも「陽当り」「海に面さず、あえて*中庭(緑)が見える場所」をねらいます。採光・通風に恵まれた角、南向き信仰の根強い慣習。あくまで市場で多い条件を選択します。
*「購入者アンケート」では、共用施設部門で「約3900本もの豊富な中高木、豊かな緑を感じられる街区や中庭をはじめとした植栽」が最も多くの票を集めていました。
冒頭「運河の水面の揺らぎ」に惹かれたと書きましたが、晴海フラッグは海に囲まれているため、住居内から見えなくとも良い。それよりも(海が一望できるような)共用施設が近ければいつでも行ける(享受できる)、と考えたほうが合理的ではないかと判断します。
そうすると「SUN VILLAGE」の場合、B棟に「テラス付きパーティルーム」や「スポーツバー」が併設されています。そのなかで中庭が見える南向きの角部屋4LDKで80m2台を探してみると、有力候補は「5B89」タイプになります。